終活での生命保険のメリット5つと注意点を解説!

保険


この記事では、

  • 家族に確実にお金が行き渡るようにしてあげたい。
  • 保険って難しくてよく分からない。
  • 自分の年齢ではもう入れないのでは?
  • 入っているけど内容はよく分かっていない。

といった方に、生命保険の簡単な仕組みと活用法、そして注意点をお伝えします。

生命保険にも色々な種類があります。 終身、医療、養老、年金、介護などなど…

今回お話するのは、死亡した時に保険金が入ってくる保険です。

保険はたくさん入ればいいというものではありません。目的に沿って賢く使いましょう!

仕組みが分かれば使い方も見えてくるよ!

生命保険の仕組み

生命保険には、主に3つの登場人物がいます。

「契約者」「被保険者」「受取人」です。

例えば、「Aくんは、Bくんが告白に成功したら、Cくんに1万円払う」という賭けを例(正確には違いますがシンプル化を優先しています。やっちゃダメですよ。)にすると、

契約者(Aくん)

:その契約にお金(保険料)を払う人(たまーにそうでない場合もありますがここでは考えません)

被保険者(Bくん)

:その契約の主役。保険金が支払われるかどうかはこの人しだい。

 死亡保険では、この人が死亡したときに保険金が受取人に支払われます。

受取人(Cくん)

:保険金を受け取る人。通常は夫、妻、子供にすることが多い。

上の例では、Bくんの告白の成功が支払いの条件ですが、死亡保険は被保険者の死亡が条件になります。

つまり、死亡保険とは、「契約者」が、「被保険者」が死亡したら「受取人」に保険金を支払うように保険会社と結ぶ契約のことです。

通常は、契約者と被保険者は同じ人(本人)で、受取人を家族にします。

自分が死亡したら家族にお金が支払われるようにするわけですね。

生命保険の5つのメリット(預金との比較)

生命保険に入っていた場合と、入らずに貯金していた場合を比較してみましょう。

⑴ 預金より増えやすい!

保険種類にもよりますが、死亡保険金は支払った保険料より増えることが多いです。

場合によっては2倍3倍になることも。

家族に1,000万円を残したい場合、月1万円以下の保険料で加入できる方も多くいます。

もし月1万円ずつの貯金で1,000万円残すには、なんと83年かかります。

若ければ若いほど保険料は下がり、無理なく備えられる。これが保険の力ですね。

⑵ 入金までが早い!

保険金は、受取人が保険会社に請求すれば、数日で受取人の口座に入金されます

一方、預金は本人が亡くなると凍結され、すぐには引き出せません。

預金は相続人全員の共有財産になります。

銀行は抜けがけする人にお金を渡さないように、たくさんの書類を「これでもか!」というぐらい出して、全員の合意が証明できないと対応してくれません。

もし揉めてしまったり、連絡が取れない人がいて合意ができなければ、何年経とうと引き出せないんです!…ガーン。

預金保険
手続きする人相続人全員受取人のみ
期間数週間〜数年数日
必要書類
(銀行・保険会社に
よって異なります)
・解約申込書
・遺言書もしくは遺産分割協議書
 ・死亡した方の出生〜死亡までの戸籍すべて 
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・支払請求書
・死亡診断書
・受取人の印鑑証明書 

銀行はモメゴトが大嫌いです。

人が亡くなると、大きな出費が発生します。医療費、葬儀代、遺品整理代、税金など…

ただでさえバタバタの時に、上表の預金の必要書類を集めるのは大きな負担ですよね?

そんな時、保険金があるのとないのとでは大違いです!

受取人を、喪主になるであろう方など相続手続きをメインで行う方にしておけば、家族の負担は大幅に軽減されます。

なぜ保険金請求の手続きは楽なのか?について少しだけ。

それはズバリ!「保険金は受取人のモノだから!」です。

保険金は、もらう人(受取人)が事前に決まっているので、相続人全員の合意がいらない!というのが大きなポイントです。

受取人
受取人

被保険者が死亡したので保険金を請求します。

保険会社
保険会社

支払請求書を郵送します。

死亡診断書とあなたの印鑑証明書と一緒に返送してください。

書類を確認したら数日中にお振込します。

簡単ですよね?これが保険の大きなメリットです。

⑶ 節税になる

生命保険には、主に「所得税・住民税」と「相続税」で節税効果があります。

所得税・住民税

1年間の収入から、経費や各種控除額を差し引いた金額(課税所得)に所得税と住民税が課されます。

つまり、控除額が多ければ、税金が安く済むわけですね。

そして、1年間で支払った生命保険料も控除ができます。

ただし、全額ではなく、今回お話している生命保険(一般生命保険)の控除額は、4〜5万円が上限です。

所得税の税率は人によって違いますが、例えば税率10%なら、新たに保険に入って4万円控除されれば、4万円×10%=4,000円の節税になります。

それに加えて、住民税でも(所得税と限度額が違いますが)同様の節税効果があります。

年間数千円かもしれませんが、目的を持って入った保険に付いてきた特典としては嬉しいですよね。

年末に嬉しいお小遣い😆

相続税

そもそも相続税がかかる方は、所得税よりもかなり少なく、亡くなる方のうち10%前後です。

所得税も、「103万円の壁」と言って、年収103万円以下の方はかかりません。

相続税では人によって違いますが、最低でも「3,000万円の壁」があるので、財産がそれ以上無ければかかりません。

※相続税の仕組みについては別の記事で解説します。

そのため、これは相続税がかかる方に関わる部分です。

受取人へ支払われた死亡保険金は、「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。

法定相続人というのは、法律上、相続する権利が認められた人のことで、妻と子、妻と親などです。

法定相続人は別記事で解説しています。

例えば、妻と子2人の家族の場合、500万円×3人=1,500万円までは無税で受け取れるんです!

もし誰か1人が1,500万円受け取っても無税です。1人500万円までではありません。

これ、もし預金で1,500万円を相続すれば、税率10%の場合150万円税金がかかります。

すごい違いですよね?

相続税対策としては標準装備と言ってよいと思います。

払った分は「所得税・住民税」で、もらった分は「相続税」でお得になるよ!

⑷ トラブル防止(遺留分対策)

相続人のうち特定の人に多くの財産を渡したい場合、問題になるのが「遺留分」です。

詳しくは別記事で解説しますが、簡単に言うと、相続人全員に法律で認められた最低限の取り分のことです。

例えば遺言などで、長男がすべての財産を相続しても、二男はその「最低限の取り分」を請求することができるんです。(二男が請求しなければ長男がすべてもらえます。)

もし、「財産は、献身的に世話をしてくれた長男に全部あげたい!」と思っても、法律が許してくれないんですね。

残念ながら、遺留分をゼロにすることはなかなか難しいのですが、保険を使って減らすことはできます。

⑵の通り、「保険金は受取人のモノ!」なので、遺留分の対象になりません。

保険は、お金を他の相続人から逃すためのツールとも言えるね!

なので、本来の財産をスリムにして、保険金を多くすることで、渡したい人に多く渡すことができるようになるんですね。

ただし!これをしたことで逆に兄弟仲が悪くなることもあるので、事前に関係者全員に話をしておくことが大切です!

⑸ 生前贈与に便利

相続税対策も兼ねて、お子さんなどに毎年お金を贈与する方が多くいらっしゃいます。

贈与税がかからないように、毎年110万円ずつ渡すんですね。

これ、年に1回のことで、その都度行うのが少し面倒ですよね。

そこで、給付金が毎年子供に支払われる保険に加入すれば、加入手続きだけで済みます。

また、もし認知症になった場合、通常の贈与はできなくなります。

この保険を持っていれば、認知症になっても自動的に贈与が続くメリットもあります。

〜何歳まで加入できるの?〜

「もう私の歳では加入できないのでは?」と思っている方、意外とそうでもないかもしれません!

今は、相続対策のための保険があります。

保険料を一括払いし、保険金はほぼ増えない代わりに、85歳や90歳でも入れる商品です。

ぜひ一度保険代理店などに相談してみてください。

2つの注意点!

ここからは、保険の注意点をお話します。

⑴ 死亡保険金は自分では使えない!

たくさんの保険に加入して、保険証券の束を持っている方もよくいらっしゃいます。

厳重な装備を持っているのは素晴らしいことですが、死亡保険の場合、自分にお金は入ってきません。

お金がもらえるのは自分が死亡した後ですからね。

備えも大事ですが、自分の健康や楽しみのために使うことも大切です。

また保険料の支払いのために今の生活が圧迫されるのも考えものです。

今と未来のお金のバランスをよく考えて、加入や見直しをしていきましょう!

攻めと守りのフォーメーションを考えることが大切です!

⑵ 受取人は慎重に検討しよう!(後からでも変更可)

夫・妻がいる場合、受取人をお互いにしている方がほとんどです。

もちろんそれでも全然OK!です。

保険金は、自分の死後の家族の生活を保障するものですから、目的に合った人をちゃんと受取人にしましょう。

それは必ずしも夫・妻とは限りません。

高齢になると、「もう大きなお金をもらっても使わないんだけど…」という場合もあります。

相続税で不利になる場合も!

相続税がかかる場合、主に納税をするのは子供です。

夫・妻は優遇されておりあまり税金は生じません。

そんな時に、受取人が夫・妻だと、子供が保険金を納税に使えない!ということになります。

また、その後その夫・妻が死亡した時に、受け取った保険金はその方の預金になっています。

妻の財産だけでは相続税はかからなかったけど、夫の保険金を受け取ったことで財産が増え、相続税が発生!ということもありえます。

まとめ

  • 保険の登場人物「契約者」「被保険者」「受取人」を知ろう!
  • メリット:⑴ 預金より増えやすい!
         ⑵ 入金が早い!
         ⑶ 節税になる!
         ⑷ 贈与に便利!
         ⑸ トラブル防止!
  • 注意点:⑴ 保険金は自分は使えない!定期的に見直そう。
        ⑵ 受取人をよく検討しよう!

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