相続手続きを進めるうえで、必ずと言っていいほど最初に必要になるのが「戸籍」です。
しかし、「どこまで集めればいいの?」「そもそもなぜ必要なの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、相続で戸籍が必要な理由から、具体的な集め方、そしてよくある注意点まで、初めて相続を経験する方にも分かりやすく解説します。
なぜ相続に戸籍が必要なのか
相続手続きでは、「誰が相続人なのか」を公的に証明する必要があります。
この相続人の確定に使われるのが戸籍です。
金融機関、不動産の名義変更(相続登記)、相続税の申告など、ほぼすべての相続手続きで、
- 被相続人(亡くなった方)が誰か
- 相続人が誰で、何人いるのか
を確認されます。
これを一切の漏れなく証明できる唯一の書類が、戸籍一式なのです。
口頭で「子どもは3人です」と説明しても、戸籍がなければ手続きは進みません。
相続で必要になる戸籍の範囲
相続で必要になる戸籍は、次の範囲です。
被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍
具体的には、
出生時の戸籍 →→ 結婚や転籍による戸籍 →→ 最後の戸籍(死亡が記載されたもの)
までを連続してすべて集める必要があります。
なぜここまで必要かというと、途中で戸籍が欠けていると、
- 認知した子
- 前婚の子
- 養子
などの存在を否定できず、「相続人が全員揃っている」と証明できないからです。
戸籍の集め方
① 最後の本籍地の市区町村で戸籍を取る
まずは、被相続人の死亡時の本籍地の市区町村役場で戸籍を取得します。
基本的に、戸籍は本籍地の役所で取得するので、最後の本籍地で死亡から遡れる分だけ取り、それ以前の分はその時の本籍地に請求することになります。
つまり、生まれてから死亡まで本籍地が同じなら1箇所で完結できます。
② 本籍地が変わっていたら、戸籍をたどって過去の本籍地を確認する
取得した戸籍には、以前の本籍地が記載されています。
その情報をもとに、前の本籍地の役所へ請求します。
この作業を繰り返し、「出生の記載がある戸籍」にたどり着くまで集めます。
本籍地が遠方の場合、郵送で取り寄せができます。
③ 相続人全員の現在戸籍も取得する
被相続人の戸籍だけでなく、相続人全員の現在戸籍も必要です。
これは「相続人が今も生存していること」を証明するためです。
〜 2024年開始の「戸籍の広域交付」でも万能ではない 〜
最近は最寄りの役所で、他の本籍地の戸籍も含めてまとめて取れる制度も始まりましたが、
- 代理人請求ができない
- 相続人の戸籍は対象外の場合がある
など制限もあるので、まず最後の本籍地や最寄りの役所に早めに確認しましょう。
ご自身で取得が難しければ専門家に頼みましょう。すぐに取得してくれますよ。
戸籍集めは相続手続きの土台
戸籍が揃わなければ、
- 預貯金の解約
- 不動産の名義変更
- 相続税の申告
といった手続きは一切進みません。
逆に言えば、戸籍が揃えば相続手続きはスーっと進み始めます。
「面倒だから後回し」にせず、相続が発生したらできるだけ早く着手することをおすすめします。



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