「せっかく遺言書を書いたのに、無効と言われてしまった…」
遺言書は、亡くなった方の遺志を実現する大切な文書です。
しかし、法律で定められた要件を満たしていなければ無効になる可能性があります。
本記事では、遺言書を無効にされないための5つの重要ポイントを解説します。
法律で定められた方式を守ろう
遺言書が無効になる最大の原因は、方式違反です。
代表的な遺言書の種類には、次の3つがあります。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
それぞれ要件があります。
たとえば自筆証書遺言の場合、
- 全文を自筆で書く
- 日付を具体的に書く(例:2026年2月19日)
- 氏名を自署する
- 押印する
これらが1つでも欠けると無効になる可能性があります。
パソコンで作成した本文は原則として認められません(財産目録部分を除く)。
「少しぐらい大丈夫だろう」という自己判断が、後の紛争につながります。
遺言能力がある状態で作成する
遺言書は、作成時に遺言能力(意思能力)が必要です。
認知症が進行している場合など、判断能力に疑義があると、相続人から「無効だ」と争われる可能性があります。
特に高齢で作成する場合は、
- 医師の診断書を取得しておく
- 公正証書遺言を選択する
- 作成過程を記録しておく
などの対策が有効です。
公正証書遺言は、公証人が作成するため、後日の無効主張が比較的起こりにくいというメリットがあります。
内容を明確・具体的に書く
遺言書は「気持ちを書く手紙」ではありません。
法的効力を持つ文書です。
例えば、
- 「長男に多めにあげる」
- 「家族で話し合って決めてほしい」
といった曖昧な表現は、解釈を巡って争いが生じやすくなります。
具体的には、
- 不動産は登記簿通りに正確に書く
- 預貯金は銀行名・支店名・預金種類・口座番号を記載する
- 誰に何を相続させるのか明確に書く
といったポイントを守ることが必要です。
また、公正証書遺言の付言事項(家族へのメッセージ)には法的効力はありませんが、感情的対立を防ぐ効果があります。
遺留分への配慮を忘れない
遺留分の詳細については別記事をご覧ください。

遺言書の内容は自由ですが、相続人(兄弟姉妹以外)には遺留分という最低限の取り分が法律で保障されています。
例えば、
「全財産を長男に相続させる」
と書いた場合でも、他の相続人は長男に遺留分を請求することができます。
遺留分を無視した遺言書は直ちに無効になるわけではなく、他の相続人が請求しなければ問題になりませんが、トラブルにならないよう配慮していた方が安心です。
相続トラブルを防ぐためには、
- 事前に遺留分を試算する
- 代償金を準備する
- 生命保険の活用を検討する
などの工夫が有効です。
遺言書の有効性を重視するなら公正証書遺言
「絶対に無効にされたくない」という場合は、公正証書遺言が有力な選択肢です。
特徴は、
- 方式不備のリスクがほぼない
- 原本が公証役場で保管される
- 家庭裁判所の検認が不要
- 相続手続きがスムーズ
といった点にあります。
費用はかかりますが、将来の紛争リスクと比較すれば、十分安い安心料です。
まとめ
遺言書を無効にされないための4つの注意点は次のとおりです。
- 法律の方式を守る
- 遺言能力があるうちに作成する
- 内容を具体的に書く
- 遺留分に配慮する
遺言書は「書けば安心」というものではありません。
正しく作成してこそ意味があります。
将来の家族の争いを防ぐためにも、専門家のサポートを受けながら、確実な遺言書を作成することをおすすめします。
「想い」でけでなく、「法的有効性」まで備えて本当の安心を手に入れましょう。


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